ちょっと1800円は高すぎる!世界一高い日本の映画代の内訳と仕組み

ちょっと1800円は高すぎる!世界一高い日本の映画料金の内訳と仕組み

日本の映画料金1800円はなんと世界一の高値。映画料金の仕組みと内訳を解明したら、映画料金1000円の可能性が見えてきた。高い映画料金の理由がちゃんとあります。
 

映画代金ってなんであんなに高いんでしょう。レンタルなら今や100円で鑑賞できるし、ネットで1800円も払えば映画見放題のこの時代。

調べてみると、なんと日本は世界一映画の料金が高い国、きっとこれには何かある、、裏がある。

もっと気楽に映画館で映画が見たいの映画料金の内訳と業界の事情、各国の映画料金を調べてみました。

 

世界一高い映画料金1800円の日本

映画のチケット料金1800円という高額な値段。仮に4人家族で映画を観に行くと大人2人(1800円×2)、子供2人(1000円×2)で計算すると5600円。これにポップコーンや飲み物を注文するとかなりの金額になります。

レンタルDVDが100円の時代に、1800円の映画料金はとても大衆娯楽とは言えない金額、深刻な映画館離れが進んでいる要因の大きな一つが高額な映画のチケット料金です。

日本の映画チケット料1800円は世界一位の金額で、北欧など物価が日本よりも高い国を上回っています。

アメリカの映画料金700円

アメリカの映画料金

莫大な製作費をかけるハリウッド映画の原作国アメリカは、600円~700円が映画料金の相場。

日本よりも格安な映画のチケット料とたくさんの映画館があるので、映画がより身近な存在として国民に愛されています。

ヨーロッパの映画料金1600円だけど

ヨーロッパの映画料金

日本よりも物価の高い北欧などでも映画料金は1600円前後。ヨーロッパの映画産業の中心国フランスでは、アメリカ同様700円が相場。

ノルウェーなどの北欧の地域では、日本のコンビニにあるようなサンドイッチが一つ700円くらいしますから、その物価の高さから考えれば1600円という映画料金はかなり安いことが分かります。

アジアの映画料金800円

アジアの映画料金

韓国とシンガポールで800円、中国は地域にもよりますが1100~1500円。その他の東南アジア諸国では500円が相場。

もちろん自国の映画だけでなく、ハリウッドの大作だってこの値段で上映されています。

インドはたったの30円

アメリカを越えて世界で一番映画を製作しているインド(2015年度)その映画料金は320円が相場。

インドの地方に行くと30円が相場という圧倒的な低価格。ただし、空調などもない劣悪な環境の映画館のようです。

高い映画料金は大手映画会社のせい

高い映画料金

日本の映画料金だけが世界でも飛びぬけて高い一番の理由は、大手映画会社の独占支配の名残が強い為です。

映画産業は「制作」「配給」「興行」の3つに分類されます。日本はこの3つの業界が三位一体と言われるほど強い繋がりを持っています。

映画の権利を持っている配給会社の言い値で、映画の興行権を買わなければ人気の映画を興行会社は卸してもらえない為、お客さんが映画館に来ません。

その為、戦後長い間、興行会社は映画料金の値下げをしようにも、大きな資本を持つ配給会社の言いなりにならざるを得なかったという過去があります。

制作会社

制作会社

映画を実際に作る会社。監督やスタッフ、出演陣などを揃え、撮影、編集など制作に関わる全てを行う。

映画の製作には莫大な費用が掛かる為、スポンサーや配給会社、制作委員会などと提携して映画を製作する。

配給会社

配給会社

制作された映画の権利を期限付きで買い取り、映画館にその作品を卸すことで利益を得るのが配給会社。

映画の番宣や、テレビ放映権、DVD化のセールスに関する権利を持つ。大きな資本を持っているので制作会社が映画を製作する際のスポンサーになることも多い。

興行会社

興行会社

映画館を運営している会社のこと。配給会社から映画の放映権を買って自社の保有する映画館で放映して利益を得る。

映画館に来たお客さんが買うポップコーンや飲み物代は貴重な利益元。

配給会社に従うしかない映画館は値下げできなかった

映画料金の値下げ

世界の映画ビジネスにおける「制作」「配給」「興行」はそれぞれに独立しており、映画館を運営する興行会社は独自に公開する映画の料金を決定することが出来ます。

その為、各映画館で価格競争が起こり自然と映画の料金は安くなるのです。作品によって700円だったり、500円だったりと値段が違い、ハリウッド超大作などでも公開から少し日数が経てば安く見ることが出来ます。

日本の配給会社の場合、映画の公開初週の売り上げの約7割を配給会社へ支払うことが明文化されており、映画館を運営する興行会社は配給会社に対して弱い立場にあります。

配給会社に支払う利率は日が経つごとに低くなっていきますので、興行会社としては爆発的な売り上げを持つ作品よりもロングラン上映を狙える根強い人気を持つ作品のほうが収益を見込めます。

しかし、ロングランヒットする映画などそう多くはなく、配給会社の言いなりにならざるを得ない状態が長年続き、単館系のミニシアターなど資本力の弱い映画館が軒並み潰れてしまう要因の一つとなりました。

シネマコンプレックスが映画料金を安くし始めた

2000年度以降の外資系企業の参入によるシネコンの台頭により、この状況は崩れ始め、レディースデイやシニア割り、毎月1日は映画1000円などのキャンペーンを利用した映画料金の引き下げの風潮がようやく生まれました。

また、シネコンが大半の映画館を占めるようになり、TOHOシネマズ(東宝)、松竹マルチプレックスシアターズ(松竹)など、国内の大手配給会社は自社で直接、シネマコンプレックスの運営を始めました。

 

映画料金1800円の内訳

映画料金の内訳

作品によって映画料金の内訳は異なりますが一般的には、50%が映画館の取り分、残りの半分が配給会社の取り分と言われています。

映画館を運営する興行会社は、1800円の50%である900円から映画館で働くスタッフの人件費、設備代、電気代、家賃を支払います。それらを差し引いた残りの金額が映画館の利益となります。

配給会社は、1800円の50%の900円から宣伝広告費、その他スポンサーへの配当金を引いた、差額と配給手数料(約20%)が利益となる。

仮に、10億円の興行収入がある作品だとすると、1800円の内180円が利益となり、それにプラスして配給手数料の20%に当たる180円が配給会社の取り分。つまり、1800円の内360円が配給会社に入る仕組みとなっています。

1000円が妥当な映画料金の意見が大半

ちなみに、あるアンケート調査では映画の基本料金(レイトショーなどのキャンペーンを適用しない価格)がいくらなら観に行きますか?との質問に対して一番多かった答えは、1000円。

映画館だけじゃなく、映画そのものを観ない若者が増え続ける現状を打開する為には、日本の映画産業の慣習を改革して映画1000円時代を到来させる必要があるかもしれません。

平均映画料金は1200円

レイトショーやレディースデイなどのキャンペーンの台頭で、近年の日本の映画鑑賞料金の平均は約1200円。

映画の前売り券は一枚売れるごとに、10%の130円が代理店に支払われます。前売り券の印刷代や人件費を加味すると、約200円の経費が前売り券の販売に発生していることになります。

この分のコストを上手く削減出来れば、映画のチケット料金全国一律1000円も可能なのではないかと、浅はかに考えてしまいますが、前売り券にはマーケティングや店頭に置くことで宣伝効果が見込めるといった意見が根強くある為、簡単には行かないようです。

う~ん、長い(笑)。要するに映画関係の仕事をしている人達の給料が高すぎるから下げればいいのではないかと安易に考えてしまう。役員、管理職、社長の皆さんの給与を20%カットすれば1000円の映画料金は実現!それでも私は観に行きません!出不精なので。
Post: 2016年11月28日
LastUpdate: 2020年06月05日
 
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