さだまさし原作の小説、解夏を実写映画化した作品。興行収入10億円を突破するヒット作となり、「愛し君へ」とタイトルを変えてテレビドラマ化もされた人気作品。
都内のとある小学校で教壇に立つ隆之は、ある日、自らの身体の異変を感じた。目がおかしい。友人の眼科医に相談した彼は、ベーチェット病に罹患していることを知らされる。
いつか訪れる失明の瞬間。病について深く知るうちに、彼は郷里である長崎に帰り、残された時を思い出の風景の中で過ごそうと決心する。そんな彼を一心に慕う恋人の陽子。
いったんは隆之から別れを告げられたものの、心から愛するがゆえ、彼女もまた長崎に向かうのだった。そして訪れる「その時」、二人の心に宿ったものは… さだまさし原作の感動のドラマ。
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舞台はさだまさしの地元の長崎。登場人物のほとんどが長崎弁を使い、長崎名物とも言える坂道ばかりのロケーション、長崎出身の人にはあるあるが詰まった作品。
大沢たかお演じる主人公が自身の病との葛藤に苦しみ、教えを乞うお寺の住職の訛りになまった長崎弁の方言は見る人すべてを癒してしまう不思議な魅力があります。
この無性に癒されてしまう魅力あふれる和尚を演じたのは、松村達雄さん(享年90歳)映画『男はつらいよ』シリーズでは2代目おいちゃん役を演じたことでも知られる。
映画としての遺作となった今作の演技は、一度見たら忘れられない温かさが滲み出ています。
また、今作で主演の大沢たかおさんは自身初となる2004年度日本アカデミー賞主演男優賞を受賞しています。
公開当時、35歳の女優石田ゆり子さん、この頃からずっと老けない美しさに驚きです。
永作博美さんと並んで今なお、美しく艶やかで優しい魅力に脱帽です。